さくらの独り言

肺炎とはそもそも何なのか? ―「ちゃんと」してたら肺炎は怖くない―

2020-02-27

 

武漢封鎖から1ヶ月以上が過ぎました。

中国ではトップダウン式の強制的な政策が功を奏し、一部地域では関連の緊急対応等級(感染症危険レベル)が下げられた場所も出てきています。上海はまだ一級ではあるものの(※2/27時点)、確定症例数がゼロの日も出てくるなど、沈静化の兆しが見られています。

一方で中国以外では感染者数が増えている国や地域があり、今後もまだ感染が広がる懸念が残っています。

SNSやネットニュースなどを見ていると日本の対策について心配する声が少なくないのですが、そもそも肺炎とはどういうものなのか、何をもって重症と考えるのかを知らない人が一定数いて、不安を感じられているように思いました。

そこで今日は、自身も肺炎を罹ったことがあり、先般真菌性の肺炎で義父を亡くした経験を持つ筆者が、当時を思い起こしながら肺炎にまつわるあれこれを書いてみようと思います。

私は医師ではないので、専門的な見解については誤っている可能性がありますが、患者、患者の家族として経験したことは事実です。また私の経験は全て中国国内での経験です。日本と中国では治療方法や判断に違いがあるかも知れませんので、この点を踏まえてお読み頂ければと思います。

 

肺炎とは?

文字どおり、肺が炎症を起こしている状態です。

肺が炎症を起こして肺としての機能が働かなくなると、血中の酸素濃度が落ちて呼吸が苦しくなります。この状態が続くと、酸素濃度の足りない血液が循環し続けることになり、他の臓器もその機能を維持することが難しくなっていきます。肺の機能が回復しないままだと最後は多臓器不全を起こしたり、脳死状態になり、血圧が下がって生命の維持ができなくなります。

 

肺炎の主な症状は、発熱と咳です。

中国のサイトによると、普通の肺炎は咳にやや湿り気がありたんが絡むことがありますが、ウイルス性の肺炎では空咳であることが大きな違いだとのことです。

 

私のケース

私が肺炎になった時は40度以上の熱があり、解熱剤を飲んでもなかなか下がらなかったので病院に行ったのでした。呼吸が苦しいなどの症状は全くなかったのに、レントゲン検査を経て肺炎と診断された時はちょっとびっくりでした。

熱は点滴開始後も数日続いたのですが、抗炎剤の投与と十分な休息を経て、2週間ほどで会社に復帰しました。

中国では肺炎と診断されると、程度にもよりますが、基本的に入院を勧めらるようです。私の時も入院を強く勧められたのですが、中国の病院に入院したくなくて頑なに拒否したので、何かの紙にサインをすることで入院を免れました。その代わりなのか、念のためと言われて3週間も点滴通院しました。

 

義父のケース

義父はPCP肺炎という真菌性の肺炎を患いました。この菌は自然界に普通に存在していて、肺に寄生する特徴があります。健康な人であれば全く問題を起こさない菌ですが、抵抗力や免疫力が落ちている人ではとても重い肺炎を起こします。

義父の場合、熱(38度台)と咳が続いていたので病院に行き、最初は普通の肺炎と診断されて抗炎剤を処方されたのですが、効果を示さず、後に血中の酸素濃度が下がってしまうほど肺の状態が芳しくないことが分かり、緊急入院となりました。入院した時はまだPCP肺炎とは診断されていませんでした。

入院後、

酸素マスク装着→せん妄が酷く暴れてマスクを外してしまう→マスクでの酸素吸入が追いつかず気管挿入→鎮静剤投与→改善みられず→気管切開→治療の甲斐無く逝去

との経過を辿りました。

私が見聞きする限り、肺炎が重症化するとほとんどがこのような経過を辿ります。この過程で菌やウイルスに見合った薬が処方されれば、どこかの段階で回復できる可能性がありますが、何を原因とした肺炎かが確定するまでに時間を要するものもあり、我が家の場合は全ての段階で判断や行動が遅れ、結局治療が間に合いませんでした。

 

何をもって重症とするのか

肺炎の重症度を観るにはまず「普通に呼吸していて苦しくないかどうか」が判断基準になります。

例えば義父の場合、自分では呼吸が苦しいとは言わなかったものの、肩で息をする、つまり家にいてテレビを見ているだけなのに、走った後のような呼吸をしていて、同日病院に行って緊急入院となった時は、既に血中の酸素濃度が8割くらいしかない危険な状態でした。(健常者は92-96%程度)

ここで注意が必要なのは、自分の身体に敏感でない人は呼吸が苦しいと感じることが難しいという点です。特に高齢者などは感覚が鈍るため、気づいた時には手遅れとなっている可能性も。

義父の場合は、以前に脳出血を起こし脳の一部に障害が残っていたため、自分の体調不良に気づけず、私たちに不調を訴えませんでした。結果、発見が遅れ、肺機能の更なる低下を招いてしまいました。

まずは「呼吸が苦しくないか」を基準に、苦しい場合はすぐに病院に行きましょう。

 

酸素マスクの状態で回復できることが望ましい

もし重症化してしまった場合も、既往症などがなく、体力や免疫力が残っている人の場合は酸素マスクで酸素投入量を上げた状態を続けていれば肺の機能の回復が期待できます。

但し、重症化して酸素マスクでの効果が望めず、気管挿入や気管切開となった場合は、回復への難度が格段に上がり、回復したとしても予後が大変になります。

我が家の経験からも、コロナウイルスに罹った人の闘病経験談を読んでいてもこの「酸素マスクで持ち堪えられるか」と「気管挿入、気管切開まで至っているか」の間にはとても大きな乖離があるように思います。

 

義父の時は、気管挿入すると口の一部がどうしても開きっぱなしになるので、身体が弱っている上に他の細菌やウイルスの感染リスクが高まること、管と喉との間に炎症を起こすリスクがあるとの説明を医師から受けました。

また、医療従事者を含め肺炎で家族を亡くしている人なら恐らく誰もが知っていると思いますが、気管挿入や気管切開は、医師としてやるべき医療行為の1つ(マニュアルで決められている)なのでやるにはやるけれども、その効果や予後は決して楽観的なものではなく、特に気管切開に至っては生涯介護が必要な生活となる覚悟が必要だということです。

乱暴な書き方をすれば、予後はどうでもいいからとりあえず命を取り留める手段が気管切開だということです。

 

結局は身体の「質」による

コロナウイルスに感染して重い肺炎となった人は、高齢であったり既往症がある人に多いと言われています。

報道にあるような、陽性反応を示しても無症状の人がいるというのは、恐らくその人の身体の免疫力が正常もしくは強く、ウイルスと対峙できる力を持っていたからではないかと。最初は問題なくとも、疲労などで一旦免疫力が落ちてしまうと肺炎を発症する危険性があると私は思います。

 

何が言いたいのかというと、重症化する、しない、重症になっても酸素マスクで回復できるかできないかは、結局はその人の身体の品質そのものに大きく左右されるということです。

普段からの身体づくり、つまり食事や生活習慣と十分な休息ができていれば、重症化することは少ないのではないでしょうか?

ちなみに義父は幼少の頃は栄養状態が芳しくなかったこと、大人になっても病気ばかりしていた人で、中年以降はずっと高血圧の薬を飲み、時折痛風の発作で悩まされるような身体の持ち主でした。時代や外部環境のせいで仕方なかった部分はありますが、身体の質としては決して良い人ではありませんでした。

義父はコロナウイルスではありませんでしたが、真菌に対する抵抗力がなく、最後は肺が菌にやられて機能を失ってしまい、最後まで元に戻ることはありませんでした。

 

だから肺炎になりたくない、肺炎になっても重症化したくなければ、特に高血圧、糖尿病などの生活習慣病がある人はより一層予防に努めるべきだし、2~3分の面着で簡単に感染してしまうのがコロナウイルスですから、マスクなしでの満員電車や接客、大勢での会議なんてとんでもないのです。

現在のように特効薬がなく、身体という自分の資本に賭けるしかない状況の中、外出をなるべく控える、人が集まるところに行かない、マスクをする、手洗いをするという基本の対策を愚直に行うことが一番だと思います。

もっと多くの企業が思い切った決断をし、日本も聖火リレーなんてやってないで、最低限の経済活動だけにするように潔い通知を出してはいかがでしょうか?

 

病院が病院として機能するために

日本政府が出した基本方針の中で、風邪や発熱などの軽い症状が出た場合は、外出をせずに自宅療養して欲しいとのお願いが出されています。病院の規模や医師の配備体制から考えてもこの方針は正しい判断だと私は思います。

武漢の状況で言えば、患者が殺到したために、病院が病院として機能できなくなってウイルスの蔓延に拍車をかけたし、上海の状況で言っても人の過度な集まり防止と安全を鑑みて病院が一部診療を止めてしまったため、本来行われるはずの治療ができなくなるという大きなマイナスがありました。

日本は是非とも中国の教訓を汲んで、絶対に同じ事態を起こして欲しくないと思っています。

義母の友人はがんの治療がストップしてしまい自分は死ぬしかないのかと涙を流しています。

どうか日本がパニックにならずに、感染が最小限で留まることを祈っています。

 

以上、肺炎にまつわるあれこれ+雑感をお伝えしました。

 

上海は毎日のように今が正念場、踏ん張りどころと言われていて、いつまで踏ん張るんだろう?と思ってしまいますが、私が勤める会社の言い方を借りれば、3月5日までは“严控时期”とのことです。来週にでも、何か変化があるのかな?

 

 

スポンサーリンク



役立つ情報盛り沢山!
他の上海ブロガーさん記事はこちらから↓
PVアクセスランキング にほんブログ村
  • この記事を書いた人

しゃんはいさくら

2004年~大連留学を経て、2005年~上海在住。 現在、夫、日中MIX子ども×2、義母の5人で生活してます。 会社でも家庭でも中国人に揉まれながら、のらりくらりとやってます。

-さくらの独り言

© 2020 しゃんはいさくら