【中国・所得税法改正】所得税付加控除と情報登録について

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先般

中国・所得税法改正による基礎控除額及び税率の変化について

という記事でご紹介したとおり、2019年1月から中国の所得税法が改正されました。この改正に伴って中国人にも各種控除項目が適用されることになりました。

外国人には元々優遇政策がありますし、特に駐在員の方は私と違う給与体系だと思うので、多くの読者さまにはあまり関係のないお話かも知れませんが、今回の改正に関わる手続きについて、私の経験をまとめてみました。

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外国人向け所得税控除特別優遇策とは

今回の税法改正のお話の前に、外国人向けの所得税控除優遇について簡単におさらいしておきます。

中国で納税している外国人は、基礎控除5,000元と中国の社会保険料(収めている人のみ)のほかに、住宅手当、クリーニング代、帰国費用、子女教育費手当などを控除の対象に含むことができます(証明できるものが必要)。

私(現地採用で給料少ない(=所得税額も多くない)、夫名義の自宅に居住、クリーニング代なし、子女教育費は実質ほぼゼロ)は控除の対象にできる項目が帰国費用のみだったため、控除申請で得られるメリットと手続きの面倒さを考えてこれまで申請していませんでした(今思えば10年以上もこちらにいるのできちんと申請していればチリツモでそれなりに節税できたかも知れません)。

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個人所得税APP

今回の所得税法改正で、中国人は2019年1月以降の子女教育費、継続教育費(資格取得のために成人以降に就学した場合など)、高額医療費、住宅ローン、住宅賃料、老人扶養費を控除項目に追加できることになりました。

これを中国語で「专项附加扣除」といいます。

それに伴い専門のAPPが開発され、これに必要事項を登録すると翌月から相応額が控除でき、所得税が軽減できるようになります。

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中国人に適用される付加控除が私にも登録できた!

会社からもらった資料によると、税金を収めている職員であれば誰でも適用できるとのこと(最終判断は税務局の審査に基づく)。

APPの操作マニュアルを読んだら「境外人員信息」という箇所があったので、外国人でも適用可能だと判断し、夫と相談して情報登録することにしました。

我が家の場合

夫と私の給与額、控除額、税額を考慮し、夫が登録するのは老人扶養費2人分(中国の両親)のみとし、私のところで子ども2人分の子女教育費100%と老人扶養費を2人分(日本の両親)を登録することにしました。

老人扶養費は60歳以上の親を扶養する場合、1人あたり1000元控除できます。

兄弟がいる場合は、兄弟で相談して負担の割合を決めます。一人っ子の場合は自然と100%になります。

子女教育費も1人あたり1000元控除でき、夫婦で負担の割合を相談して決めることができます。

50:50にする夫婦もあれば、我が家のように0:100としても構いません。2人の税額を考慮し、どうするのがお得かを考えて割合を決めれば良いです。

中国サイトに税金計算器が何種類かあるので必要事項を記入してシミュレーションしてみると良いと思います。

登録に必要なもの

・パスポート、身分証番号(家族分含む)

・会社の納税識別番号

・大厅注册码(外国人は税務局に行ってこの番号をもらう必要あり)

家族情報を登録しなければならないので、自分の身分証番号の他に配偶者、子ども、60歳以上の両親の番号も必要です。

子どもは入学した年月や学校名を登録します。また両親の生年月日も必要ですので予め準備しておきましょう。

会社の納税識別番号は普段領収書をもらう時に使う番号です。知らない場合は会社の財務部門に問い合わせれば教えてくれます。

大厅注册码はパスポートを持って税務局の窓口に言うと6ケタのコードが書かれた紙をプリントアウトしてくれます。1週間有効です。

中国人は身分証の顔写真で識別できるようですが、外国人は大厅注册码を取る必要があります。これがないと実名認証ができず先に進めません。

アプリをダウンロードして必要事項を登録する

スマホのスペックは、アップルはiOS9.0以上、アンドロイドは4.3以上必要です。アプリストアで“个人所得税”と入力して検索すればこのイラストのアプリが見つかりますので、ダウンロードしてください。

この後の登録、入力についてはスミマセン、個人情報を考慮しキャプチャーを取っておりませんので割愛させて頂きます。

アプリの中身はALL中国語なので言葉が苦手な人にはハードルが高いかも知れませんが、指示されたとおりに正しく入力すれば難しいものではありません。

税務局審査の結果は?

このAPPに情報を入力すると3営業日程度で税務局の審査が完了するようです。

私は情報入力して既に1週間ほど経っていますが、税務局からの完了通知は特に来ていません。

説明によると証拠は5年間残しておくようにとの指示がありましたので、領収書が発行されるものについてはきちんと残しておきましょう(マンション賃料を控除する方など)。

新しい税法では、今日説明している付加控除の入力情報を元に「累計予控法」という方法で計算されて所得税を納めることになります。

「累計予控法」についてはこちらの記事をご参考ください。

【中国・所得税法改正】個人所得税の計算方法変更について

家族構成や生活状況が私と似た条件の方は、このAPPに情報入力することで同様の控除が適用できると思います。

会社の財務に問い合わせるなどして、対応してみてはいかがでしょうか?

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