2020年~2021年にかけての年末年始、我が家ではちょっと大きな事件が起こりました。
今日は事の経緯と上海の病院事情について記録しておきます。
上の子からケガをしたとの電話
12月の上旬、学校で上の子がケガをしました。
カラダを動かすことが好きな子で、これまでずっとスポーツ系の習い事に通っていることもあり、それなりに丈夫に育っていると思っていました。
なので子どもからケガして手がむっちゃ痛いと電話がかかってきた時も、それほど大事とは思っておらず、子ども自身も「痛いから電話したけどとりあえず報告だけ」と言って電話を切ったので、当初は家に帰ってから様子を見て病院に連れて行けばいいかなと思っていました。

体育の授業で
子どもがケガをしたのは体育の授業中でのことでした。
両膝立ちした状態でボールがどれだけ遠くに投げられるかという動作をやっていて、その時にバランスを崩して手を着いたとのこと。
最初は特に痛みもなかったそうですが、その後徐々に痛み出し、その痛みがちっとも収まらないので電話したと言っていました。
その日の体育の授業は昼食前の四限目でした。
最初の電話で「とりあえず給食を食べて様子を見ておかしいと思ったらまた電話して」と言っておいたのですが、食事が終わった時間になってまた子どもから電話があり、
「痛くて、右手でスプーンが持てなかった」
と言うので、
「今すぐ家に帰ってナイナイ(おばあちゃん)に病院に連れて行ってもらって!」
と伝えて電話を切り、児童医院の公式アカウントから骨科の予約を取ってキャプチャーを義母に送り、病院に連れて行ってくれるようお願いしました。
反省点① 一般診療の骨科ではなく救急外来の骨科に連れて行くべきでした
レントゲンで骨折と診断
義母は自分が骨折の経験があるので、子どもの手を見てすぐに骨折してると思ったそうです。
レントゲン結果でも骨折と書かれており、石膏で固める処置が取られました。
私はその日、会社を早退して病院に直行したのですが、既に石膏後の姿になっていて、実際の手の腫れ具合は見ることができませんでした。
これが骨折当時のレントゲン写真です。

今ならどこに不具合が起こってたのか判りますが、医療従事者や骨折の経験がない人が見ても、どこがどう折れているのか、細かく説明できる人は多くないのではないかと思います。
普通の骨折とは違うと判ったのは、後になってからのことでした。
セカンドオピニオンで状況が良くないとの診断
児童医院では毎週検査に来るように言われていたのですが、既に石膏で固めてあって骨が引っ付くのを待つだけなのに、どうして毎週レントゲンを撮らなきゃいけないのかが理解できず、レントゲンの撮りすぎが不安だったのと、義母も自分の骨折の経験から考えてもそんなに頻繁に撮らなくてもいいんじゃないかと言うので、翌週の後半まで再診を延ばしました。
反省点② 自分たちで勝手な判断をせず、素直に医者の言うことを聞いておくべきでした
その後、私と義母の会話を聞いて不安に思ったのか、旦那が、ケガをした時の対応が良かった光華医院に行こうと言い出し、児童医院の再診日を待たずにそちらで診てもらったところ、あまり状況がよくないと言われてしまいました。
旦那は子どもに聞かれたくなかったのか、今度の児童医院の再診は僕が連れて行くとだけ言い、詳細は話しませんでした。
今なら大人の骨折と子どもの骨折はきちんと分けて考えるべきだと解りますが、時既に遅し。この時点で10日ほど時間をムダに過ごしてしまったのでした。
緊急手術決定!前の医者と言ってることが違うって何だよ?
児童医院の再診日は12月29日。
既に年末休暇に入っていた旦那が病院へ連れて行きました。
光華医院でレントゲン写真をプリントしてもらっていたので、この日の担当医にその写真を見せました。
この先生は、一応病院の記録に残っていた前回のレントゲン写真も確認し、こう一言。
「あ、これは手術ですね。すぐに入院の手続きをしてください」
この先生は迷いなく、即手術が必要との診断を下したのです。
は!?
だったら前の医者の診断は何だったの!?
この時旦那は前の医者の診断について病院にクレームすべきかどうか、いろんなことを考えたみたいですが、入院前に揃える資料や身支度に時間がかかりそうだと判断し、子どもを連れて一旦帰宅することに。
手術が必要なほどの骨折と判って、私も驚きやら怒りやらいろんな感情がこみ上げてきましたが、今私たちがすべきことは子どものために治療に専念することだと考え、一旦感情にフタをして、やるべきことに着手しました。
入院に必要な書類あれこれ
今回の入院に必要な書類はこちらでした。
・医療証
・状況説明書
・戸口簿
・定向転診単(※これが厄介)
・患者+付添人のPCR陰性証明書
ウチの子には学校経由で申し込んだ入院基金があります。
これを使うには学校のハンコ+必要事項記入済の「医療証」が必要です。

また入院が必要な病気やケガが他人によるものではないことを証明するために、状況説明書が必要でした。
ネットに文章のひな形みたいなのがあったので、それに子どもの名前を足して、学校のハンコを押してもらって提出しました。
ちなみに、加害者がいる場合は、入院その他の費用は加害者が全額負担すべきなので、入院基金は申請できません。
負の遺産、「定向転診単」
今回の入院を機に初めてその名前を耳にした「定向転診単」。
私が調べた情報では、二級病院の「利益」を守る為の負の遺産だと書かれていました。
中国の病院はベッド数に応じて「三級、二級、一級」に区分けされ、更に管理水準、功績、専門性の高さなどに応じて「甲乙丙」でレベル分けされています。

今回子どもが入院したのは普陀区にある三甲医院なのですが、普陀区の三甲に入院基金を使って入院するためには救急の患者であることor戸口本の住所が近隣の区であることという条件があったのです。

これに当てはまらない人は二級病院の「定向転診単」がないと入院基金が使えないという訳のわからない制度があり、且つ入院日よりも前の日付での「定向転診単」を準備しなければなりませんでした。
ここで上で書いた反省が関わるのですが、もし初診の時に救急にかかっていればこの「定向転診単」は不要だったのです。
とんだ失敗を犯してしまいました。。。
また、この「定向転診単」は好意的に出してくれる病院とそうでない病院があるらしく、更に我が家のケースでは、さかのぼった日付で発行してもらわなければならなかったので、当初は取得が危ぶまれたのでした。泣
昔の中国なら、きっとお金をこそっと忍ばせれば、ちゃちゃっと発行してもらえたと思うのですが、今はシステム化が進んでいて日付を遡ったカルテを作るのが面倒なのです。

いろんなツテを探していたところ、ウチの近所に二級医院で働いている先生が見つかり、最後はその先生のコネと知恵の結集で事なきを得たのですが、久々に中国的な制度に振り回される経験をしました。
付添人のPCR検査の注意事項
中国の入院患者の付添人は1患者につき1人までと決められています。
付添人にはPCR検査の陰性証明が必要なので、旦那と私の2人がPCR検査を受けて交代で子どもに付き添うことにしました。
で、この時の注意事項は、なるべく子どもが入院する病院で子どもの名前で挂号を取ってPCR検査を受けた方が良いということです。
おそらく病院が情報管理をする上で便宜を図るためだと思いますが、特に他のエリアで取った検査結果だと病院が認めないケースがあります。
今回私が目にしたのは、外地から子どもの入院の為に来てたパパさんで、病院の看護師とPCR検査の件で揉めていました。
私は自分が医保カードを持っていて、そのカードを使えば自己負担なく済むので、近所の病院でささっと済ませてしまおうと思っていたのですが、何かの勘が働いて児童医院で検査したのでした。
自費にはなりましたが、児童医院のシステムにPCR陰性の情報が残せていろんなことが滞りなく進むので、児童医院で検査しておいて良かったです。
次回、子どもの骨折についての詳細を記録しておこうと思います。