さくらの独り言

深まるひずみ 外地出身労働者は何処へ

2018-01-04

 

こんにちは、しゃんはいさくらです。

2018年がスタートしました。日本に住んでいる方なら気分も新たに今年の抱負などを考えたりすることもあるでしょうが、中国で生活しているとお正月の気分どころか、今年は特に1月1日しか休みがなかったので、どうもしっくり来ないというか、何となく消化不良な感じがしてます。中国の12月→1月は、仕事としては年度末の締め業務があるものの、忙しさは普通の月末→月初とそれほど変わらない感じです。

※通常1月1日~3日が休みになることが多いのですが、今年は曜日の関係で12月30日、31日、1月1日がお休みでした。

我が家があるマンションで大事件

話は変わりますが、この月の変わり目に私の身の回りでちょっと大きな事件が起こりました。これを事件と呼ぶのがふさわしいかどうかは別にして、もし該当者だったら今後の生き方を変えなければいけない出来事です。

それは地下駐輪場住居の一斉撤去でした。

ターゲットは駐輪場管理人

中国のマンションには地下に自転車やバイクの駐輪場が設置されていて、その駐輪場には盗難防止のために管理人が張り付いている場合があります。その管理人たちはほとんどが外地からの出稼ぎ労働者。地下のジメーっとした薄暗いところを住居にし、夫は外で仕事、妻は家で駐輪場の管理人というパターンをよく目にします。駐輪場管理人の仕事をしていれば、地下住居の家賃は駐輪場管理代と相殺、もしくは相殺して更に若干のお給料がもらえていました。不動産価格の高騰でなかなか高い家賃に手が出せない人にとってはとてもオイシイ仕事だったのです。

それが、我がマンションの敷地内にある計15ヶ所の地下駐輪場で管理人制度を廃止、地下住居は一斉撤去されることになりました。

ウチのお義母さんは居民委員会(日本で言う町内会のようなもの)の役員をしていて、時折開かれる会議に出席しているのですが、その会議の中で撤去することが発表されたようです。居委会で撤去が発表されたのが12月中旬、撤去期限は12月末。その間、2週間です。

撤去理由は「違法建築」

世界の中でも有数の大都市、上海。上海の給与は中国ではトップレベルです。生活コストもかかりますが、同じ時間働くなら少しでも給与の高い仕事を選択する傾向にある中国人、田舎で重い腰を引きずって畑を耕しても微々たる収入にしかないのなら、家族を犠牲にしてでも都会で働くことを選ぶ人は少なくありません。留守児童問題を取り上げたレポートを読んで、出稼ぎ労働者の実態をご存知の方も多いと思います。

ただ、出稼ぎ労働者の給与は田舎よりは多いものの、物価の高い上海で生活していくのにはとてもしんどいレベルです。特に大きなコストがかかる住居費用は、ルームシェアや普通の人が住まない環境の場所を住まいにしてしのぐことになります。ルームシェアと書くと聞こえがいいのですが、実際は我々の想像を絶する大人数で住んでいることが多く、本来台所でないところにガスボンベを持ち込んで料理をしたり、本来は2LDKの間取りなのに部屋の中に壁を作って部屋数を倍にしたりと、火事や災害の危険性がとても高いことが問題になっていました。

今回撤去の対象となった我がマンションの地下住居でも、当局が巡視した際に、2部屋くらいのスペースしかないのに管理人の親戚一同がゾロゾロ出てきたり、壁で仕切って部屋を作り他人を住まわせていたりしたため、「違法建築」や「消防法違反」などを理由に撤去の通達が出されたそうです。

50人以上が行き場を失った

理由はどうあれ、この人たちは1月1日から住むところを自分で手配しなければいけません。ルールを守って管理人を勤めていた人なら当局が何らかの優遇を図ったとも考えられますが、噂にも聞かないので、ほとんどが住むところを無くしたのではないかと思っています。どれだけの人が上海に残り、どれだけの人が故郷に帰ったのか?私には知る由もありませんが、強硬なやり方にちょっと疑問を感じています。

 

我がマンション以外にも…

我が家の近所でもう一箇所、大規模な違法建築物撤去が行われた場所があります。それは食品の卸売市場です。市場の2階部分が吹き抜けになっていて、吹き抜けの周りがプレハブ小屋で囲まれていたのですが、そこに多くの出稼ぎ労働者が住んでいました。もちろん市場で野菜やお肉を売っている人たちの住処でもあったのですが、そこも12月中旬頃に一斉撤去が決まったと聞きました。

当局として火事や災害のリスクを減らすために採った措置だと言われれば、それは正しい判断かも知れませんが、一方でその背後に外地人差別があるような気がしてなりません。

 

リスク排除<人口抑制?

人口が多すぎてコントロールが効きにくいこの国では、ルールを守る意識も薄いし、ある程度の強制的な措置で支配するのは仕方がないと思いますが、こんなやり方を続けていると火種がくすぶり、社会生活の安全性が失われる危険があります。戸籍格差、所得格差から生まれるひずみは、後にもっと大きな社会問題となって我々の生活に悪い影響を及ぼしそうで怖いです。ルールを守らずに生活する人たちを擁護はしませんが、彼らに支えられて今の生活が成り立っていることも否定できません。

数年前からちょくちょく聞いていた違法建築物撤去活動ですが、身近なところで実際に目にしてしまうとインパクトが全然違いますね。

この措置が危険やリスクを排除するという表向きの理由のみならず、真の目的は絶え間なく増え続ける上海人口を抑制するために外地人を排除することにあるのだということを見逃してはいけないと思います。

 

 

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  • この記事を書いた人

しゃんはいさくら

2004年~大連留学を経て、2005年~上海在住。 現在、夫、日中MIX子ども×2、義母の5人で生活してます。 会社でも家庭でも中国人に揉まれながら、のらりくらりとやってます。

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