中国 食の安全問題 品種改良?成長促進剤?イチゴの大きさに戸惑う私

上海生活あれこれ

 

こんにちは、しゃんはいさくらです。

今日は皆さんの注目度が高い、食の安全に関するお話です。

12月になり寒さが増してくると、上海では果物屋さんやスーパーにイチゴが並び始めます。

イチゴは私が一番大好きな果物。中国は果物が日本よりも格段に安く手に入るので、時季になると頻繁に買って食べていました。

その後ある年に話題になった事件を境に、果物屋さんに並ぶイチゴを怪しい目で見るようになったのですが、一体どんな事件だったのでしょうか?

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中国におけるイチゴの産地

事件の話の前に、中国のイチゴの産地について簡単に紹介しておきます。

百度百科(中国版ウィキペディア)によると、中国のイチゴは遼寧、河北、山東、江蘇、上海、浙江などの中国東部沿海地域を中心に栽培されており、特に遼寧・丹東、河北・保定、山東・煙台、上海郊外、四川・双流、江蘇・連雲港は重点産地と言われています。  

※参考元→ 

上海のイチゴの産地と言えばココ!

上海郊外の中でも一番大きな産地と言われているのは青浦区にある趙屯鎮です。この地図で赤点が集中しているあたりがそうです。

イチゴの季節になると近郊の農園でイチゴ狩りを楽しむことができます。3月中旬~下旬にかけては菜の花も観賞することができるので、マイカーを持つ家族連れでとても賑わいます。

上海にいる日本人の皆さんは、旅行会社などが企画するイチゴ狩りツアーに参加したことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?私はツアーではありませんが、自分で手配して友人と一緒に青浦の農園にイチゴ狩りに行ったことがあります。

事件はその青浦で起こった

当時のニュースリンクがどこにも見つからないので私の記憶に頼りますが、以前「青浦に住む4歳の女の子に突然生理が来た」というニュースがありました。

その家はイチゴ農園を営む農家。女の子は小さな頃からイチゴをたくさん食べていて、それが初潮を早めたとの記述があったのです。

当時(今でもですが)、中国の農作物に成長促進剤や農薬、果物であれば糖分を注射しているという噂(真実?)が後を絶たず、事件のあったイチゴ農家もイチゴの為に農薬を使っていました。

ただ、農家自身は、自分の使った薬剤にホルモン成分があったとは露知らず、何も知らない子どもは汚染された家の作物を大量に食べて身体に異変が起こったのでした。

現在、そのニュースが検索できないのはなぜなんでしょう?フェイクニュースだったのでしょうか?

でも私はこのニュースは「人為的にリンクが消された」ものだと認識しており、後ろに赤い影が見え隠れしている気がしてなりません。

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このイチゴ、あなたは買う?買わない?

このニュースを知ってからは、市場で売られているイチゴを注意深く見るようになりました。

これは中国のsinaというサイトに載っていた写真ですが、この右側のイチゴ、あなたは買いますか?

中国のサイトで発見したドデカいちごの写真

 

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イチゴの見分け方

最近の上海では、私が日本にいた頃には見たこともないような上の写真の右側くらいの大きなイチゴを見かけるので、成長促進剤を打たれたものではないかと警戒しています。

調べている途中で見つけたある中国人ブロガーさんの記事キャプチャーを貼りますね。

1、左2つのイチゴは大きすぎる、形がいびつな点からホルモン剤を打たれたものである。一般的なイチゴの形は円錐形、長円錐形である。

2、ホルモンイチゴはヘタの部分が白くなっている。ツヤがなく色も均一ではない。

3、左の4つはホルモンイチゴ。中が空洞で、色が白っぽい

その他にも私が読んだ他の意見には、

イチゴのブツブツ部分(種)が黒いもの

実にみずみずしさがないもの

2つのイチゴがくっついたような形のもの(トサカ状イチゴ(鸡冠样草莓))

もホルモンイチゴである可能性が高いとのことでした。

イチゴを選ぶときに是非参考にしたいですね。

先日我が家の義母が買ってきたイチゴ

先日義母が買ってきたイチゴの写真です。

正直言って、判断に困りました。

大きさとしてはちょっと大きめ、一部ヘタに近い部分が白いものがあります。

その後洗ってヘタを取って切ったものがこちらですが、中身に空洞があるイチゴはなく、切り口は正常、味も酸っぱ味が感じられる普通の味だと感じました。

皆さん、これは安全イチゴだと思いますか?それともホルモンイチゴだと思いますか?

イチゴの洗い方

日本でもそうですが、現在の食糧事情に鑑みると、農作物に若干の殺虫剤系農薬を使うのは避けられないようです。

なので少しでもリスクを減らすには、ただの水洗いではなく、ちょっとした工夫が必要です。

上で紹介した中国人ブロガーさんの記事などを参考にこちらにまとめてみました。

 

  1. まず流水でゴミなどをしっかり洗い流す
  2. 溶液※に浸す(10~15分程度) 
  3. 流水で溶液をしっかり洗い流す

です。

 

※各溶液の用途・目的

  • お米のとぎ汁 →とぎ汁はアルカリ性で、農薬(酸性)の溶解を促進します。
  • 重曹水 →上記と同じく重曹水はアルカリ性。お店やショッピングサイトで“食用小苏打”で探してみてください。
  • ホタテパウダー →こちらもアルカリ溶液が作れます。お米のとぎ汁や重曹水と同じ用途です。
  • 塩水 →イチゴ表面の微生物除去に役立ちます。
  • 小麦粉を溶かした水 →粉の強い吸着力で、イチゴの汚染物を除去します。※片栗粉・コーンスターチでも可

 

大事なのはイチゴを洗う前にヘタを取らないことです。ヘタを取ってしまうと、切り口から汚染物が実に染み込んでしまいます。

最近は中国人も食の安全に敏感になってきており、高級スーパーを中心に有機野菜が増えてきています。もちろん果物も同様で、時季になると有機イチゴと書かれているものが出回ります。

でも管理が難しい、生産量も限られると言われている有機栽培の作物が、こんなにたくさん市場に出回っていることに私は違和感を覚えます。

本当に有機栽培で作ったものなのかをしっかり吟味する必要がありますね。

上海でも売られている「章姫」

ところで話は変わって日本でお馴染みの「章姫」。上海のスーパーでも時折見かけます。

日本の果物情報サイト果物ナビに掲載されている章姫の説明はこちらです。

章姫 あきひめ | いちご(苺/イチゴ) 品種の特徴 食べ方 選び方
章姫の特徴や来歴、見分け方(選び方)、旬の時期や食べ方、保存方法などを紹介しているページです。

中国版ウィキペディア百度百科による章姫の説明はこちらです。

百度百科-验证
百度百科是一部内容开放、自由的网络百科全书,旨在创造一个涵盖所有领域知识,服务所有互联网用户的中文知识性百科全书。在这里你可以参与词条编辑,分享贡献你的知识。

日本側の説明文には書かれていないのですが、百度百科の章姫の説明文の中にこんな記載がありました。

个大畸形少 (実は)大きく奇形は少ない

一级序果平均40克,最大时重130克 平均40g、最大で130g

ほぉ~。卵1個が約50gなので、卵を少し小さくしたくらいのが章姫だと思うと、やっぱりイチゴとしては結構大きめな品種と言えそうですね。

中国版章姫「奶油草莓」

私が住むローカルエリアの果物屋さんでは「奶油草莓」という品種(名前?)のイチゴが多く売られています。

このイチゴが結構大きいことと前出のニュースが絡んで、上海のイチゴを疑うきっかけになったのですが、今回この記事を書くにあたりいろいろ調べていたら、上海でよく見かけるこの「奶油草莓」(「牛奶草莓」とも言う)は章姫のことなんだそうで、百度百科で読んでびっくりしました。

奶油草莓_百度百科
奶油草莓,是以奶油草莓为主料制作的药膳,不含防腐剂,糖尿病患者不适宜。

章姫は実が大きめな品種だから大きいイチゴもアリなのか、それともやっぱりホルモンイチゴなのか。

今回お義母さんが買ってきたイチゴは果たして「章姫」なのか。

なんだか訳が解らなくなってきました。

政府による検査も行われているが。。。

調べている時に、赤の組織の宣伝なのか、青浦区が〇回目のイチゴ検査をして、規定の農薬以外は検出されなかったと書いてある記事を目にしました。これが本当であって欲しいと思います。

自分が実際に足を運んだ青浦農家のイチゴは形も普通でとってもおいしかったので、有機ではないにしろ、安全なイチゴだと信じています。

あの形と味を思うと、現在近所の市場や果物で売られているイチゴはやっぱりちょっと「違う」と感じるので、自分の感覚を信じて選択するしかないですね。

一応義母には大きすぎるイチゴは今後買わないで欲しいと釘を刺しておいた(既に数え切らない釘が刺さってますが・汗)のですが、これから旬を迎えるイチゴちゃん、安全なイチゴが市場に出回ることを願ってやみません。

農家の知識不足問題

中国の農作物の安全問題はイチゴに限ったことではなく、どんな作物にも付いて回る問題です。

ただ、私のこれまでの経験や見識から言えば、多くの農家は普通に、常識の範囲内で生産しています。

一方で、まだ知識に乏しい農家たちがいるのも確かで、劣悪な環境で育てていたり、過剰な農薬投下をしている栽培者がいるのも事実です。

スマホの爆発的普及などで農村部の意識も変わり始めています。今後の農業がどのように変化するのか、期待したいところです。

最後にダメ押し!?

今日はイチゴについて書きましたが、上海近郊で栽培が盛んな果物で同じく安全問題がよく話題になるのがスイカとブドウです。

会社の同僚(上海のある有名なスイカ産地出身)によると、スイカはその過剰な農薬散布で土壌が汚染されてしまうため、ある年に使われた農地はその後2~3年に渡って、雑草すら生えてこないのだそうです。

土地を休める必要があるので、そのエリアでは今年はAエリアで栽培(B、Cエリアは休耕する)、次の年はBエリアで栽培、更にその翌年はCエリアで栽培するなどして土地を回しているとのこと。

なので、その同僚は地元産のスイカは決して口にしないと言ってました。

実は、我が家の義母はスイカが大好物でして、夏になると常に家の冷蔵庫にスイカがスタンバっています。

農薬の話をなどをして買う回数を減らしてくれと毎年お願いしているのですが、なかなか彼女の思想を変えるのは難しいようで。

中国人は何でも大きいものが好きで、スイカなんかは特に大きいものがおいしいと言われています。

そのせいなのか、夏になると農薬と共に、成長促進剤の話が湧いては消えて、湧いては消えて。。。

それでも義母は相変わらず大きいスイカを選んで買うんですよね。

食の安全問題は、この国にとって永遠のテーマとなってしまうのか。

少なくとも、我が家ではこれからも毎年、イチゴバトル、スイカバトルが続きそうです…

 

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