シェアサイクルゴミから垣間見える中国

さくらの独り言

中国の生活で欠かせない交通ツールの1つのなっているシェアサイクル。

シェアサイクルはラストワンマイル問題(中国語では“最后一公里(ラスト1キロ)”を解決するツールとして大きな役割を果たす一方で、中国らしい負の一面も持っています。

今日はシェアサイクル事業から見た中国あれこれについて書こうと思います。

※ラストワンマイル

元々は通信業界用語で、通信事業者の基地からユーザー所在地(ビルや自宅)までのネットワークのことを指します。物流業界では宅配会社の営業所からお届け先までのことをこう言うようです。中国では地下鉄の駅などから目的地までの「あとちょっとの距離」のことを指します。日本はメートル法で距離を表すのに、言葉ではマイルと言うのが面白いですね。

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友人からのモーメンツ

虹橋エリアで食事をしたことがある方は、こんな光景を目にしたことのある方もいらっしゃるかも知れません。

これは春節過ぎ頃に友人がモーメンツにアップしていた写真ですが、仙霞路×娄山关路にあるアパート取り壊しの跡地に大量のシェアサイクルがゴミとして山積みにされていたんです(今はもうないかも)。

このあたりが取り壊しの対象になり、昔良く行ってたラーメン屋さんが移転し、その後建物が崩されて壁に囲われた過程を見てはいましたが、まさかあのピンクの壁の内側がこんなことになっていようとは。。。

シェアサイクルが上海で爆発的に普及してから数年が経ちましたが、こんなにたくさんの自転車が行き場を失いゴミと化していたのには正直驚きました。

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もっとすごいの、みーつけた!

このモーメンツを見た数日後、もっと恐ろしい現場を目撃しました。

通勤バスから撮ったもので、角度的にもズーム的にも様子が伝わりにくいと思いますが、ざっと言うと上の写真の百倍以上の規模の自転車が山積みされている堆積場があったのです。〇で囲った部分は全部自転車、こんな感じの山が3つありました。これを見たときは言葉を失いました。

私は毎日このゴミ山が見える道路を通って通勤していますが、最近は驚きの気持ちが怒りに変わり始めています。だって、道路沿いにはたくさんの故障車が回収されることなく停まったままになっている一方で、新旧問わず、これだけの自転車が2年経たずしてこんな無残な姿になってるんですよ?中国の変化の速さ、省みなさ、計画のなさ、土地の多さ、モノの扱い方、重視するポイントの違いetc…、本当に日本とは全然違う国なのだということを再認識させられます。

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中国マーケットの攻め方の典型

物事の善し悪しは置いておいて、「マーケット」という視点で客観的に考えるとシェアサイクル業界の成り行きは、現在の中国マーケットの攻め方の典型だとも言えます。

これまでになかったサービスを、

初期投資は大きく、

一定期間は採算度外視で、

最速で拡大する。

思えば、盒马もそうだし、luckin coffeeもそんな展開の仕方をしています。luckin coffeeは巷ではあまりの急速拡大に大丈夫かと心配の声が上がっているほどですが、これも生き残る為にシェアを先取りする為なんでしょうね。

シェアサイクル業界も元は20社ほどあったものが、資金力の乏しい会社が次第に力尽きて廃業し、最近ではほとんどのシェアをモバイクとofoで握っている状態です。あの大量のゴミを思うとこの2社の展開の仕方を賞賛はできませんが、「とりあえずやってみる」「問題が起こったら都度修正する」ことがスタンダードな中国では、勢いに乗ってチャレンジしてみることが大事なのかも知れません。

業界として、ゴミ問題やリサイクル、マナー問題などに取り組んでくれたらもっといいのにな。そう思ってしまう私はまだまだ日本的な考えを持っているということでしょうか。

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