近くて遠い台湾… 金門島に行ってみたい

さくらの独り言

  

こんにちは、しゃんはいさくらです。

 

先日、家族でいつどこに旅行しようかという話になりました。

子どもの受験年次を考えると、我が家にとっては今年と来年が旅行の計画を立てやすい時期かなと思っていて、行くとしたら第一候補はもちろん日本ですが、ビザやフライトの制約があり、コストを考えるとなかなか自由に渡航できないのが現状です。

 

じゃあ、他に行ってみたいところは?と皆に質問したところ、国内だったら北京、重慶はもう1度行きたい都市、あとは香港とか台湾あたりかなぁなどといろんな意見が出てきました。

そしたら旦那が「台湾と言えば・・・」とウンチクを語り出し、「金門島」という厦門(アモイ)にほど近い島の話になったので、今日はそれについて書こうと思います。

スポンサーリンク

金門島とは

中国大陸にほど近い場所にある島です。

大陸からフェリーで30分の場所にある

清の時代は泉州府の管轄にありました。

その名残を受けてか、百度地図では「泉州市金門県」と表示されます。

金門島(右)と小金門(左)にはオレンジ色の道路表示がない

 

百度百科では、「大陸側では金門島の行政区分を福建省泉州市金門県としているが、実際は台湾によってコントロールされ、台湾側も金門県を設置したため、「一島ニ県」の状態になっている」と書かれています。

 

一方、ウィキペディアでは「中華民国の福建省金門県」だと紹介されています。

国共内戦で中国大陸から撤退した中華民国軍がここで防衛を成功させて以降、中華民国の統治下にあると書かれています。

 ※大陸では台湾に逃れた国民党勢力の退路を残すべく、毛沢東はわざと金門島に手を出さなかったとの説があるとのこと。今は共産党がその気になればいつでも実効支配できる状況にあり、毛沢東の戦略もあながち間違いでなかったとも言える。

 

Googleマップでは繁体字表記と簡体字表記に分けて、台湾管轄なのか大陸管轄なのかが一目でわかるようになっています。

Googleマップでは簡体字、繁体字に分けて表示

 

歴史的にも場所的にもとても敏感な立ち位置にある島です。

 

スポンサーリンク

近いのに行きづらい

上の地図からも判るとおり、大陸から近く、フェリーで簡単に行けそうな場所にあります。

実際、2017年~18年頃は厦門からフェリーに乗って島に行くことができたようです。

 

但し、現在はコロナ禍や世界情勢の変化を受け、現在は大陸から海路で金門島に行くことはできません。

一旦本島に飛んで、本島から飛行機で金門島に行くことになります。

 

もし昔のようにタオバオなどで簡単に入台証(私以外の家族に必要)が申請できて、厦門からフェリーで行けるということなら、家族で行ってみようという話になるのですが、今は入台証の申請が簡単でなく、中台関係もあまり芳しい状況とは言えないので、しばらくはお預けかなと思ってます。

 

旦那はお義母さんに「たぶんお母さんが生きてる間には台湾に行けないだろう」と諦めさせてましたが、さっきいろいろ調べてみたところ、今年の年末に個人の旅行が解禁されるかもという期待があるらしいです。

 

スポンサーリンク

私が金門島に行って検証したいこと

大陸には「台湾の人は本当は大陸に帰属することを望んでいる」と教えられている世代の人たちがいます。

私たちの感覚したら「そんなわけないじゃん」と思ってしまいがちですが、Googleマップで金門島のストリートビューを見たときに、島の人の中にはそう思っている人たちが一定数いるかも知れないと思うようになりました。

今にも壊れそうな古い家があり、空き地に廃車が山積みになっている様子が写っていたからです。 

貧しいとまでは言わないけど、何かこう、活気のない、日本の限界集落を見ているような印象を受けました。

 

旦那が、金門島は台湾の最前線として常に危険と隣り合わせだから、本島と同等、もしくはそれ以上の保障を受けていると言ってたので、貧しいわけではないと思いますが、それも含め実際に島に行って、現地の雰囲気を肌で感じてみたいという思いがあります。

 

あとは人についてもよく観察してみたいです。

 

普段上海で多くの大陸系中国人に接していますが、未だに中国人のことがよく解らないと思うことがあります。

大陸の人たちのあれこれが理解できないのは、彼らが共産圏にいて思想が根本的に違うからなのか、それとも政治に関係なく、中華系の人は似たような思想を持っているのか?

民主で島国の台湾で生活している華人は大陸の華人とどんな風に違うのかっていうのを観察してみたいです。

 

もちろん数日の旅行では上っ面しか見れないとは思いますが、今後中台関係が本格的に悪化すると、ますます金門島には行きづらくなるので、平和なうちに肌で感じておきたいです。

 

金門島の立ち位置は複雑

上でも書いたとおり、これまでの歴史や地理的な位置を見ると、この島が非常に重要で、敏感な場所であることは一目瞭然です。

  

国共内戦の後、長きに渡って厳戒令が敷かれ、一般市民の島への上陸は厳しく制限されていたそうです。

大陸の人が島に普通に旅行できるようになったのはここ10年くらいのことではないでしょうか。

 

今回、私が金門島に対して興味を持ったのは、旦那のウンチクを聞いた数日後にこちらのニュースを読んだからでもあります。

 

中国経済新聞網の該当ニュースキャプチャー
ソース:https://www.cet.com.cn/dfpd/dfjj/3327469.shtml

 

両岸には「小四通」と呼ばれる政策(プロジェクトというべき?)が存在し、大陸の福建省沿岸地域と台湾の媽祖列島+金門島エリアを、水、電気、ガス、橋で繋げようとする試みがなされています(あくまでも報道ベースで実際の進行具合は不明)。

うち、今年(2023年)は水路開通の5周年にあたるそうで、水供給力の更なる向上に向けて水源保障プロジェクトが着工したとのこと。

 

これは大陸での報道で、台湾側が本当はどう思っているのかは判りませんが、大陸側の勝手な思いだけで進められることとも思えず、台湾の一部にはこのプロジェクトを進めようとする力が確かに存在するのでしょう。

台湾であり続けたいけど、大陸のおいしい汁も吸いたいというところでしょうか?

      

アメリカ軍が兵力増強

2月24日に日本で「米軍が台湾軍の訓練支援部隊を去年の4倍超に」とのニュースがありました。

中国でも“美军在台湾省军人部署将增加超三倍!”などの見出しで報道されてました。 

※日本語と中国語の倍数表現は異なるので、ここでの日本語の4倍と中国語の三倍は同じ意味です

  

最近、台湾有事に関する記事をあちこちで目にします。

ロシア-ウクライナ紛争も全く終わりが見えない中、更に中国-台湾(≒アメリカ)の有事となると、これから世界はどうなっちゃうの?という不安が無きにしも非ずです。

 

ウ・ゼレンスキー大統領の1年前と今の顔。

※Twitterより

戦争の全てが現れている1枚だと感じました。

 

どうかこれ以上戦火が広まりませんように。

 

金門島住民を始め、台湾住民、大陸住民の穏やかな生活が奪われませんように。

 

では。

コメント

タイトルとURLをコピーしました