さくらの独り言

どうして中国では女の経済力が必要なのか。中国の婚姻法を読み返してみた。

2019-06-25

先日、知人からのモーメンツでとてもビックリした投稿がありました。

世界で一番危険な職業=主婦

え?なんで?主婦って勝ち組の職業じゃないの?と思っていた私は、読み進めて納得。

今日は中国人女性のある投稿から考えさせられた女性の経済力と、併せて調べた中国の婚姻法について書いていきます。

問題の投稿とは?

こちら、私が気になったモーメンツの内容です。

おおまかな内容はこうです。

曹雲金(中国漫才師の名前)が離婚を発表:男が扶養、女に収入なし

この離婚が私たちに教えてくれたこと―― 世界で最も危険な職業は主婦である

結婚する時には「僕が養ってあげる」だったのに、離婚する時には「今まで僕が養ってきた」だってよ。

愛は平等が基本なのに、結婚すると経済バランスの制約を受けてしまう。どれほど愛し合っていたとしても、どちらかが相手のペースに乗り遅れれば、目の前に落とし穴が待っているかも知れない。

だから女性はどんなときでも自分の成長を諦めず、まずは生計を立ててそれから愛よ! 一緒に頑張りましょ!

結婚して1年4ヶ月、妊娠出産を経て赤ちゃんを育ててたら、収入がなくて当たり前。その結果が「男が養い、女に収入なし」ですって!?

どんなときでも最後のカードは取っておかなきゃダメ。勝負の時にキングすら出せなかったらどう戦うの?

 

男のホンネか、それとも社会通念か

この人、それなりに人気のある漫才師さんだったのですが、今回の離婚会見で「男が扶養、女に収入なし」発言をしたため、ネット上ではカス男(中国語では“渣男”)などと言われ始め、過去の暴力事件まで蒸し返されて、更に評判を落としています。

確かに、コイツ、女性の立場からしたらホントに心底腹の立つ発言をしているのですが、モーメンツで回ってきた文はまさにそのとおりで、世の中にこういう男だっているし、何が起こるか判らないのだから、女も何か手を打っておかないとダメだよってことを言いたかったのだと思います。

この件、冷静に考えてみると、カス男1人の考えなのではないのだと気付かされます。日本でも中国でも、収入如何で物事の判断が左右されることがたくさんあります。
簡単に言ってしまえば、収入がある人、高い人の地位が高く、ない人、低い人の地位が低いと思われてますよね。

  

中国人女性は家庭内での立ち位置とバランスを気にしている

私はこのモーメンツの主張は如何にも中国人女性らしい投稿だと思いました。
同時に、約10年ほど前に親戚のおばさんがそのお嫁さんに言ってた言葉を思い出しました。

「子ども産んだからっていつまでも家にいてどうする?女が経済力を失ったら家での立場がなくなるんだよ。私が子どもを見るから早く働きに出なさい」

当時、そのお嫁さんは株に没頭していてそれなりに稼いでいたのですが、おばさんはそれを知ってか知らずか、お嫁さんがいつまでも家にいて働きに出ないことに難色を示してこう言ったのでした。

私はおばさんの「女が経済力を失ったら家での立場がなくなる」の発言がとてもショックでした。家でだってやることはあるのに、しかもこのお嫁さんは株でちゃんと利益を出していたのに、外に出て稼いでいないだけで他の家族と対等の立場じゃなくなると思われていることがとても残念でした。

 

中国の社会保障制度

中国には「半辺天(天の半分は女性)」という言い方があり、基本的には男女平等を謳っていて、対等に社会に出て働ける環境になっています。

ですが、見方を変えてみると、多くの人民を社会で働かせる為に、家にいると得が少なくなる仕組みになっているとも言えます。

例えば、中国の医療保険や年金は、会社などの組織に所属していないと収めるお金が変わってくるので、後に返ってくる金額に大きな違いが出てくるのです。中国には日本のような配偶者補助が一切ありませんので、女性も相応の年金が欲しければその分きちんと納めなければなりません。

年金は納める金額と年数によって決まるため、定年年齢に元々男女差がある中国ではどうしても男性の年金が多くなり、女性の年金は相対的に少なくなります。

なので、ある程度裕福な人でも自分の権益確保の為に働いている中国人女性は多いです。全ては自分の為。自分軸で考える中国人らしさが表れていると思います。

 

中国の婚姻法

このモーメンツを読んで、離婚=財産分与のことが頭をよぎったので、中国の婚姻法についてちょっと調べてみました。

私自身も不動産名義の件でずっと心に引っかかっていることがあったし、もし自分が離婚した時に中国で日本人が離婚したらどれほどデメリットを被らなきゃいけないのかを知っておきたい気持ちもあったからです。

中国の婚姻法では、離婚時の財産分与については以下のように書かれています。

中国婚姻法第三十九条

離婚時、夫婦の共同財産は双方が協議して決めると書いてあります。協議不成立の場合は人民法院が子女、女性の権益に配慮して判決を下すことになっています。

ではこの夫婦の共同財産とは何を指すのでしょうか?それは十七条に明記されています。

中国婚姻法第十七条

夫婦が結婚関係存続期間中に得た収入

を指します。

我が家のケースだと、結婚後の二人の給与と取得した不動産になるのかな?

不動産は結婚後に買い直しをしていて私もローンを負担しているので共同財産になると私は思っているのですが、節税の為に私の名前を名義に入れていないので離婚時にどう判断されるのかの不安は残ります。

ちなみに、結婚後に夫婦が所有した財産は平等な処理権を有すると書いてありますが、結婚前の財産は共有財産とみなされません。

中国婚姻法第十八条

ここに中国ならではの不均衡な財産分与となる可能性が存在します。

上海の場合、男性は不動産を有していないと結婚が難しいなどと良く言われます。

最近は、不動産価格が上がりすぎて庶民が手を出せる価格ではなくなってしまった為、男女双方が共同出資して買う人もいますが、社会通念的には結婚後に住む新居は、結婚前に男性側が準備するものとの考え方があり、家があることを結婚の条件としている上海女性は少なくありません。

でも、婚姻法を読んでいると、法律的には結婚前に男性側が取得した不動産は、男性の財産だと書いてあるので、結婚後に妻側の名義を追加しない限り、男性側の財産とみなされるわけです(と私は理解しています)。

となると、もし離婚なんてことになったら、女性側は財産分与もままならないということではないですか?

だから離婚時の財産分与は単純に50:50ではなく協議できることになっていて、協議が不成立の場合は子女や女性に配慮した判決を下すように、と法律に書かれているんでしょうかね?

 

万が一に備えておこう

このモーメンツを通じて、改めて女性がある程度の経済力を持っていることはとても大事なことだと思いました。

今日紹介したモーメンツ夫婦の女性側は男性側に関係修復を懇願したのですが、男性側はそれを拒否し、その後「男が養い、女に収入なし」と発言したと報道されています。

こんな酷い男はレアケースかも知れませんが、何があっても大丈夫なように若い女性たちには是非自分の権益を守ることを意識していて欲しいと思います。

 

私の世代は結婚退職が当たり前でした。私の日本の友人で、フルタイムのワーママしている人はゼロです。でも日本には配偶者補助というありがたい制度があり、パートタイムで働ける道もあります。

でも中国は違います。もし中国人と結婚し、中国で生活する可能性のある人は、日本とは違うことを認識し、婚姻法などもきちんと理解しておくのが良いと思います。

今は外に出なくたって、インターネットで稼げる可能性だってあるのですから、日本、中国に限らず、多くの女性がいろんな形である程度の経済力を持っていたらいいですよね。

 

最後に

最近老婆仲間との会話で不動産や相続の話になり、みんなそれぞれ悩みを抱えているのだと知りました。

日本という国は、たとえ日本国籍を有していたとしても、日本国内に居住していない場合、受けられる金融サービスに限りがあります。口座の解約を求める銀行も少なくありません。

一方、中国という国は外国人に対する金融サービスに対して比較的厳しい条件を敷いており、一定の条件を満たしていないと銀行口座を持てなくなっています。

私のような中国に住む日本人は、本国でも中国でも相手にされず、資産形成するのにどうしても中国人配偶者に頼る部分が大きくなります。

どちらの国でも老後に不安を感じざるを得ない状況であり、それは今後もたぶん変わらないと思うので、自分の状況をよく見つめて、経済力を失わない道を選んでいきたいなと思いました。

 

追記

今日の記事は上海在住の筆者目線で書いたものですので、その点を理解した上でお読みください。

同じ中国でも女性を取り巻く環境は都会と農村、北と南で違ってきます。

Image by freephotocc on Pixabay

 

 

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  • この記事を書いた人

しゃんはいさくら

2004年~大連留学を経て、2005年~上海在住。 現在、夫、日中MIX子ども×2、義母の5人で生活してます。 会社でも家庭でも中国人に揉まれながら、のらりくらりとやってます。

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