コロナ対応でその存在感が増した中国版町内会「居委会」※後日追記訂正あり

上海生活あれこれ

 

こんにちは、しゃんはいさくらです。

中国が事実上の鎖国状態に入ってから約10日ほどが経ちました。

ということは、ギリギリのタイミングで中国に入国された日本人の皆さんも数日後には隔離解除となり、上海生活において時折必要となる随申码が緑色になれば、晴れて自由の身になれるということですね。隔離生活を余儀なくされた皆さま、どうもお疲れ様でした。

ところで、今回のコロナ騒動で我々住民を徹底的に管理するために中国のある組織が力を発揮して頑張っていたのをご存知ですか?

今日はその存在価値が急上昇中(!?)の「居委会」について書いてみたいと思います。

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「居委会」とは?

正式名称を「社区居民委員会」と言います。

中国の小区※内に存在する自治組織で、住民の間では「居委(jūwěi/ジュー1ウェイ3)」、「居委会(jūwěihuì/ジュー1ウェイ3ホイ4)」と呼ばれています。

※小区:日本で言う団地のようなもの。中国では一般に道路に沿って塀や柵が建っており、それらに囲まれた中身のことを小区と言っている。

 

表向きは住民の自治組織という位置づけですが、実際には

キョーサントーの末端組織

と理解するのが手っ取り早いです。

 

組織内にはいくつかの職位があり、社区(コミュニティ)の最高責任者は社区党委書記、その下に副書記、実務層の責任者として主任という職位が設置されています(私の住むマンションの場合)。

更にその下には楼組長(○○号棟の長)がいて、主任からの指示や依頼を受けて、必要事項を住民とやりとりする仕事を請負います。日本の組長さんと似たような感じです。

主任以上の職位がある人は基本的に皆さん「党員」なので、定期的に党の洗脳指導(中央や要人が執筆した本を読まさせられたり、つまらない会議に出させられたりする)を受けています。

立場上、党の指示に対する執行責任を負っているので、何かお達しがあると一部反対する住民をうまくなだめながら、その業務を全うすべく結構真面目に働いてい(るように感じ)ます。

 

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国内の新規症例を抑えた立役者

今回のコロナ騒動では、この居委がかなり重要な任務を担いました。

初期の頃は湖北省からの帰宅住民を徹底管理していましたし、その後も海外からの入国者管理、マンションの入構管理、体温測定などにおいて、ボランティアや保安係などを総動員して対応に当たっていました(今もまだ入構管理は続いています)。

中国の感染者データに関してはその真偽についての議論はあるものの、国内の新規確定症例数がある程度コントロールできたのは、この居委の存在が大きかったのではないかと個人的に思っています。

 

初動が遅れた武漢及び湖北省や住民の移動が活発な浙江省の一部で一時期大変な感染の広がりを見せていましたが、いつも自分中心に動き、あーだこーだと理由を付けて人の言うことを素直に聞かない中国人が2ヶ月も家にこもっていられたのは、未知のウイルスによる恐怖もさることながら、居委の頑張りがあったことも決して見過ごせません。

ここしばらく楼組長をやっている義母の動きを見ていますが、何千世帯はあるであろう我が小区の住民たちを、国や市の方針を守りながら、大きな争い事なく平穏に過ごせるように努力をしていたのは、他でもなく居委のスタッフたちだったのではないかと思うのです。

 

これまではその存在を気にすることもなく、ゴミ分別運動の時にちょっと頑張ってたなぁと思うくらいで、正直、「めんどくさいことを指示してくる人たち」との思いも少なからずあったんです。

でも、コロナ対応の彼らの組織力は結構すごくて、毛細血管の隅々にまでちゃんと血を巡らせていた感じでした。

 

日本にも町内会とかマンションの住人委員会みたいなのがあると思うんですけど、そういうところをうまく使って、意識の浸透や本当に困っている人の救済ができないものなのかなぁ?とちょっと思いました。

 

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意外と人を見てリンダオに据えている模様

ところで、一部の日本人の中には、「党員」と聞くと扱いづらい政府のお役人さんをイメージされる方がいるかも知れませんが、極端な思考を持った人はほんのごく一部で、皆さん普通の人です。

もちろん私が知っているのはほんの一部で、中には私欲を貪っているタイプの書記もいるかも知れませんが、基本的に人と人との間に入ってきちんと物事が解決できるコミュニケーション力や柔軟性のある人がこの職を任されている感じがします。

人をおだてる使うのにも長けていて、ウチの管轄の主任さんは物腰がものすごく低くて気遣いの上手な方と見えて、どうも義母はこの主任さんにうまく乗せられて楼組長をやっているっぽいです。

今の中国は「党」が絶対的な存在になりすぎていて、外国人には理解しがたいことがたくさん起こりますが、党が締め付けているからこそ今の状態が保たれていることは確かなので、私たちも党について少しでも理解しておくのが良いと思います。

 

4月8日からいよいよ武漢の都市封鎖解除

日本政府が7都府県を対象に緊急事態宣言を出しましたが、一方の中国・武漢では4月8日午前零時から都市封鎖が解除となりました。

私が読んだニュースによるとこれを期に武漢⇔大都市間の高速鉄道が一部復活するとのことで、一応武漢(湖北省含む)から上海に来る人は2週間の隔離対象となってはいるものの、人の往来が再開されることに若干の不安を覚えます。

※4月9日、上記を訂正します。

上海では、武漢エリアからの来訪者に対し、健康QRコードが緑の場合は、隔離対象となりません。

Q:バスで上海に戻ります。出発前の湖北健康コードは緑、PCRは陰性ですが、
上海に戻った後に隔離は必要ですか?
A:再隔離の必要はありません。
Q:列車で上海に戻り、友人と家を借りて仕事に復帰する予定です。
現在の隔離政策はどうなっていますか?
A:武漢から上海に来る人に対して強制隔離する必要はありません。
Q:武漢から列車で上海に戻る予定です。上海では公共交通機関を使って小区に戻れますか?
A:健康コードが緑であれば利用できます。
但し、お住まいのエリアで実行されている隔離政策を理解した上で
上海に戻ることをおすすめします。
Q:武漢から上海に来る人がPCR検査をしたい場合、どのように申請すれば良いですか?
費用は誰が負担しますか?
A:足元個人に対するPCR検査は行っておりません。
所属先から所在地の衛健委に申請し、指定の場所で検査を受けることになります。
原則として自費です。

 

先日、武漢では1万人余りに対してPCR検査が実施されたそうですが、その中に無症状陽性者が34人いたとのことで、まだまだ余談を許さないのに上海は隔離なしで受け入れようとしています。

  

最近、小区の出入り管理が少し緩くなってきたので、ここはもう一度党の組織力を存分に発揮して頂き、居委を通じて市民たちへの注意喚起、住民管理の再徹底をしてもらいたいものです。

 

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