しゃんはいさくら、御年4●歳。
大学を卒業し、社会人になって20余年、中国の現行ルールに基づくと、あと10年ほどで定年を迎えることになる。
その昔、私が社会に出た頃は、報告書はまだ手書きが主流の時代だった。
会社を退職して中国に留学、留学を終えて社会人として再出発をスタートした頃には、パソコンで業務を完結する時代になっていた。
そして現在。
新聞記事に目につくようになった「AI」の文字。
私の旧ブログでもAIに関係する記事をいくつか書いているが、いずれAIが自分の上司となる日もそう遠くはないという。
今の子どもたちが大人になる頃にはいったいどうなっているのだろうか。
通訳 vs AI
私は現在日⇔中の通訳をしているが、これまで通訳とコンピューターとの関係は比較的良好だった。
Googleに代表されるインターネットの翻訳ツールが発達してもそれは脅威にはならず、逆に我々の仕事のサポートとして助けられたことが幾度もあった。
利用者として便利だと思う一方で、まだまだ翻訳結果がお粗末で膨大な手直し作業が必要だったことから、通訳の存在価値は失われていない、結局は人が手直ししないと使えないモノだという安堵があり、1つの職業として通訳や翻訳という職が無くなるのは時期尚早との思いがあった。
ところが今は違う。
2017年11月1日付けの日経新聞国際版のある紙面にこんな数字とビジュアルがあり、いよいよヤバイという思いが芽生えてきた。

2024年にはAI技術によって言葉の壁が消滅する
と言う。
音声システムが国際会議の場で活躍する日まで、もう10年を切っている。
語学はAIの得意分野
この新聞のイラストを更に上に読み進めていくと、語学分野でもう1つの職業が危機を迎えることになっている。それは語学教師だ。2026年頃には、AIが語学学校の講師を勤めるという。
囲碁の世界では既にAIがプロ棋士に勝利しているが、経験の蓄積を得意とするAIは同じく蓄積のインプット力とアウトプット力がモノを言う語学分野でも十分に力を発揮するのだろう。しかも人間は忘却するが、AIは忘却しない。恐ろしすぎて、書いていて泣けてきそうだ。
ちなみに、この記事によると、2030年には語学以外の教師もAIに職を奪われるらしい。
AIに向かって「センセー」と呼ぶ日も遠くはない。
巷ではもう実用化
語学分野では既に様々な形でAI技術が浸透している。私が以前お声かけ頂いたソフト販売会社のソースネクスト社から我々通訳を脅かす画期的な商品が発売された。


現地スタッフにアテンド通訳を頼まなくても、仕事がこなせてしまうかもしれないスグレモノだ。
こちらに翻訳例が掲載されているので是非読んでみて欲しい。きちんとした品質が確保されているなら、確かに現地で通訳を雇う必要はなくなる。
我々は今後こんな小さな機械に職を奪われてしまうのかと思うと、何だか切ない。
アメリカ映画の世界も、もう夢じゃない
昔、バックトゥザフューチャーのワンシーンだったか、映画の中の未来ではロボットが朝ごはんに食べる目玉焼きやトーストの準備をしていたように思う。
当時はあぁ、アメリカらしい映画だ、こんな日が来るのはどれくらい未来のことなんだろうかなどとしか思っていなかったが、AI技術の発展ぶりを思うとそれも夢じゃなくなる日がすぐに来ると思う。
先ほど紹介した新聞のイラストによると、2028年にはロボットが買い物を代行してくれるようになり、2030年にはAIがヒトの知能を超えるようになるそうだ。

2030年。私が定年を迎え、上の子が大学を卒業して社会に出る頃。2030年、旦那はリストラ対象年齢真っ盛り。
あぁ、さくら家はいったいどうなってるのだろうか。
旧ブログ参考記事
人として原点に戻るときが来た(2016.11.19付)

通訳はAIに代替される日が来るのか(2016.11.20付)

AIに関するその後の考察
AIは言葉の壁を本当に打ち破るのか?現役通訳がAIを考える