皆さん、こんにちは!
新型コロナウイルスの蔓延を受けて、手元の業務や手続きが滞ってしまった方はいらっしゃいませんか?
現在中国では人と人との接触を少しでも避けるべく、窓口での対面申請の範囲を縮小しています。
その代わりに様々な手続きがオンライン上でできるようになり、必要資料や手続きの流れが簡素化されました。これは外国人に関わる手続きにも同様の動きが見られます。
先日、知り合いからの相談を受けて工作許可、居留許可延長手続きの足元のルールがどうなっているかを調べる機会があったので、このブログでまとめることにしました。
既知の内容かとは思いますが、どうぞご参考ください。
外国人の査証、居留許可の期限について
2月27日付けで、国家移民管理局がこのような通知を出しています。
国家移民管理局立足移民出入境管理职能,迅速研究出台了十项措施,支持相关行业、企业复工复产,主动服务促进稳就业稳外资稳外贸。其中,疫情防控期间在华从事创新创业工作、科研的外国人,签证或停居留许可到期的自动顺延2个月,无需办理延期手续。
国家移民局ホームページより
参考)https://www.nia.gov.cn/n741440/n741542/c1247617/content.html
重要な部分を簡単に日本語に直すと、
感染病対応期間中に中国で業務に従事する外国人の査証、居留許可は、延期手続きなしでその期限を自動的に2ヶ月順延する
となります。
上海の出入境管理局は既に業務を再開していますが、様々なケースを鑑みて2ヶ月の余裕を持たせたものと認識しています。
外国人の工作許可延期手続きについて
上海で働く外国人は、居留許可の更新前に工作許可の更新を済ませておく必要があります。
この手続きについて、3月10日に上海科学技術委員会から以下のような通知が出されました。
一、减免外国高端人才申请材料
外国高端人才来沪工作不受年龄、学历、工作经验的限制,用人单位为超过65岁的外国高端人才申请工作许可时,免交保险单、保险承诺及三方承诺等材料。
二、缩短外国人来华工作许可注销审批时间
用人单位申请《外国人工作许可证》注销时,审批时间从原来的10个工作日缩短为最长3个工作日,便利外国人才在沪转聘用人单位。
三、劳动关系解除证明可采用电子签名
疫情期间,用人单位与外国人才协商一致需解除双方劳动关系,但外国人才无法在解除关系证明书上签字的,可上传双方往来邮件、微信聊天记录,或上传解除关系证明书电子签。
四、纳税记录可采用电子记录
采用薪酬承诺制的外国人才办理《外国人工作许可证》延期时,对于用人单位上传的代扣代缴记录予以认可,无需前往税务部门打印个人所得税纳税记录。
五、放宽薪酬承诺要求
采用薪酬承诺制的外国人才办理《外国人工作许可证》延期时,对疫情期间(暂定2月-4月)的薪酬承诺事项的有关要求可予以适当放宽。
六、暂时取消外国人工作许可延期申请时间限制
暂时取消“延期业务须在许可届满前30日提交”的限制,用人单位可在许可届满前在线提交,恢复时间另行通知。
七、对“在华停居留有效期自动顺延”的材料予以认可
疫情期间,若外国人才的签证或居留许可到期且未出境,可以在出入境管理部门规定的自动顺延期限内办理外国人来华工作许可。
八、支持外国专家复工复产提供服务保障
各区外国专家职能部门和用人单位要认真落实本市疫情防控工作要求,主动关心外国专家,及时回应外国专家的需求,为外国专家复工复产提供工作和生活服务保障。
上海科委ホームページより
日本語で簡単に箇条書きすると以下のとおりとなります。
一、A人材の申請資料減免
二、工作許可取消の審査期間短縮
三、退職証明の電子署名可
四、電子版での納税証明可
五、報酬要求の緩和
六、延期申請の期日制限暫時取消(30日前まででなくても良い)
七、「在中期限自動順延」の認可
補足説明)居留許可期限が自動順延中の工作許可申請可。
八、外国人専門家の業務再開をサポート
感染症対応期間中に転職予定だった人や更新手続きが必要な人に便宜が図られた内容となっています。
工作許可関連手続きで現在運用されているルール
なお、3月10日の通知より前に2月1日の時点でこのような緩和策が発表されています。
为加强新型冠状病毒感染的肺炎疫情的防控工作,有效减少人员聚集,实现网上快捷办事、平安办事、健康办事,更好地保障本市人民群众生命安全和身体健康,现将有关事项通知如下:
一、为更好地配合疫情防控,方便各用人单位在网上办理行政许可相关手续,防控期间,特暂时调整本市外国人来华工作许可有关事项的审批流程,实行“不见面”审批。对需要办理《外国人来华工作许可通知》(B类和C类)、《外国人工作许可证》延期(B类和C类)及所有注销业务,用人单位可采用“承诺制”实现全程网上办理,无需到现场提交纸质材料核验。其他涉及外国高端人才办理《外国人来华工作许可通知》及《外国人工作许可证》延期、办理《外国人工作许可证》变更等业务仍维持原有流程不变,无需到现场提交纸质材料核验。
二、建议已获得《外国人来华工作许可通知》但尚未入境的外国人,尽量在我国驻外使领馆办理工作签证(Z字),取得Z字签证(Z字签证有效期一般为3个月)后可根据实际情况在有效期内安排来华行程。同时,针对在疫情防控期前外国人已办理了Z字签证,因疫情原因延迟来沪,导致Z字签证过期,待疫情结束后,如外国人持其他签证入境,用人单位在提交相关情况说明予以认可。
三、审批机关要加强事中事后监管, 建立用人单位诚信档案和虚假承诺异常名单。用人单位应确保提交的材料真实有效,积极配合做好事中事后监管的核查工作。对提供虚假材料或无法提供要件原件的,审批机关将视情形给予不同处理:如不再适用任何承诺审批(包括薪资承诺、123服务承诺等);暂缓用人单位及代办机构办理外国人来华工作许可业务等。以欺骗手段取得行政许可,审批机关有权依法取消行政决定。
四、为避免交叉感染,遏制疫情传播,针对有些业务及操作办理等问题,用人单位可通过电话热线、科技微信、网站留言等方式进行咨询。电话服务热线:8008205114(座机)4008205114(手机)。
五、用人单位到受理窗口现场办理业务时,请自觉并正确佩戴口罩,做好自身防护;若出现新型冠状病毒感染可疑症状,如发热、咳嗽、咽痛、胸闷等,请及时告知工作人员并停止办理;离开受理窗口时,请将所有材料和废弃口罩一并带离。
本通知自印发之日起执行。待疫情结束后,另行通知终止执行时间。
上海科委ホームページより
こちらも簡単に紹介しますと、以下のような内容になります。
一、感染症管理期間中は、工作許可の審査手続きを暫定的に調整し、非対面審査を行う。B人材、C人材の工作許可通知、工作許可証延期、取消について、雇用側は「承諾制」によるオンライン手続きが行える。A人材はこれまでと変わらない。
二、既に工作許可通知を取得済みで未入境の外国人は中国在外大使館(領事館)でZビザ(有効期限3ヶ月)の手続きを行い、状況に鑑みて有効期間内に中国行きを手配すること。既にZビザ取得済みで感染症を理由に上海への渡航を延期し、Zビザの有効期限が切れる場合は、他の査証で入境後、雇用者が関連事項の説明を出すことでZビザが認められる。
三、雇用者の提出資料が事実有効な場合は前向きに対応し、虚偽や原本のない場合は状況に応じて処置する。雇用側が虚偽などを行った場合は申請資格に影響し、行政的な決定が下される。(注:三は意訳してます)
四、質問受け付け先の記載につき省略。
五、窓口で申請する場合の注意事項につき省略。
3月13日時点では上記ルール適用終了の通知は出ていないので、引き続きネット上での非対面申請が可能です。
なお、文中にある「承諾制」というのは、以下の文書を提出することを指します。
承諾書URL:《外国人来华工作许可有关事项全程网上办理承诺书》模板.docx

ご参考)住宿登記は既にオンライン化済
居留許可申請で必要となる「境外人員臨時住宿登記単」は既にオンラインでアウトプットできるようになっています。
注意点
居留許可、工作許可共に、2ヶ月の自動順延ルールが適用されるのは
本人が中国国内にいること
が前提です。
3月10日に発表された8項目の7番目を再掲します。
疫情期间,若外国人才的签证或居留许可到期且未出境,可以在出入境管理部门规定的自动顺延期限内办理外国人来华工作许可。
訳)外国人のビザまたは居留許可の期限が満了し、且つ未出境の場合は、出入境管理部門が規定した自動順延期間内に外国人来華工作許可の手続きができる。
つまり、非対面のオンライン申請が可能だからといって、本人が中国に滞在していない場合は、自動順延されません。
なぜ、わざわざこの点を強調しているかと言うと、現在多くの日本人が一時帰国して日本に滞在しているケースが多いからです。
現在中国では日本からの渡航者に対して強制的な隔離措置を行っており、それを受けて上海への戻りを躊躇されている方がいらっしゃるのですが、居留許可の期限前に上海に戻っていないと大事な資格を失うことになりますので、上海へ戻る場合はタイミングをきちんと見計らうことが望まれます。
なお、駐在員本人の工作許可期限超過後、居留許可期限前に戻った場合の工作許可の取り扱いについては現在確実な情報がありません。
今回相談を受けたのは正にこのケースで、私はその方には
会社の人事を通じて再確認が必要だけど、工作許可の期限前に中国に戻った方がいいと思う
とお伝えしました。
以上、上海における工作許可、居留許可の手続きについて現行ルールをご紹介しました。
中国での生活経験がある方であればご存知だとは思いますが、中国ではいろいろな手続きの進め方が、都市によって、区によって、管轄部門によって、担当者によって異なることがありますので、会社の担当者を通じて最新情報を収集の上、対応なさって下さい。
※3月19日追記
現在、中国では海外からのウイルス輸入防止の観点から、感染拡大に歯止めがかかっていない国からの入国者に対して厳しい入国管理を行っています。
ご存知のとおり、日本は厳格管理の対象国の1つであり、飛行機着陸後から入国、荷物受け取り、バス移動、PCR検査等を経て自宅or隔離施設に移るまでにかなりの時間を要します。
当記事では工作許可、居留許可の期限が切れる場合は、その前に戻るのが望ましいとの意見を述べていますが、慢性疾患などで体調に不安がある方は、この過酷な環境の中を無理に戻ることは個人的にお勧めしません。
現在海外在住(特にヨーロッパ)の中国人がこぞって帰国しており、またPCR検査の始まりも手伝って、手続きや移動にこれまで以上に時間がかかり、日に日に待機時間が増えているように思います。
例えば、当初の体験談で読んだPCR検査の待機時間は8時間と書かれていたが、友人の例では12時間待機だと言われた、等。。。
また別の方のケースでは、係の人から待機場所で最低1泊、場合によっては2泊することもあると言われたとのこと。
上海戻りの判断は、社命であれば従わざるを得ないとは思いますが、どうか十分に情報収集し、身の回り品(アメニティ、下着類含む)、軽食と飲み物約2日分(検査待機施設、集中隔離施設で水の提供がない場所がある模様)、体調、心の準備を万全にしてお戻り下さい。
なお、オフィシャルな最新情報は領事館のホームページをご参考ください。
在上海日本国総領事館ホームページ
https://www.shanghai.cn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
浦東空港に到着してから目的地までの移動の流れ
https://www.shanghai.cn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00033.html
上海到着便旅客に対する新型コロナウイルス感染予防管理措置Q&A
https://www.shanghai.cn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00025.html
既に登録済かとは思いますが、海外に長期滞在する日本人の方は、在留届の提出が義務付けられています。
https://www.shanghai.cn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/taizai_j.html
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