こんにちは、しゃんはいさくらです。
今日は中国で働いている日本人の方向けの所得税確定申告のお話です。
申告は現地の税務局に正しく情報が登録されていれば、微信や支付宝を通じてスマホで簡単に完結できちゃうのですが、今年はちょっとしたトラブルとボタンの掛け違いで、予想もしない展開になってしまいました。
工作許可といい、税務申告といい、今年度の手続きは何かとトラブル続きです、、、トホホ。来年はスムーズに申告できますように。
2019年3月追記
2019年1月から新しい所得税法が施行され、個人所得税APP経由で専門項目付加控除の申告をしている人は、毎年3月までに行っていた12万元以上の所得申告が不要となりました。
現在はアプリを通じて税務手続きができるようになっています。
所得税アプリについての記事はこちらをご参考下さい↓
なので、当記事の内容は昔話として参考程度にお読み下さいね。
では以下、昔話です。
納税の自己申告ってなあに?
現在中国で納税していてかつ年間所得が12万元を越えている人は、関連のルールに基づいて3月末までに所得税の自己申告をする必要があります。会社によって対応が違うかも知れませんが、通常はスマホやパソコン経由で自分で申告することになります。
天引きされてるのにどうして申告が必要なの?
この制度は07年に始まっています。これまで毎年申告してきていますが、何の為にやるの?っていうくらいあっけなく作業が終わり、申告後も特に何かの対応を求められたことはありません。
普通、会社勤めで収入源が1つだけの方であれば税金は会社で計算してくれて給料から天引きされるので、申告しても追徴することもなければ還付されることもないと思います。
毎年この作業をやる意味がよく解らずにいましたが、今回この記事を書くにあたって申告の必要性に再び疑問を抱いたので、街角の声を拾ってみました。(単にネット検索したと書けばいいのに笑)
今は単なる作業にすぎない
知乎というサイトでとても有意義な書き込みを見つけました。どうやら中国政府は将来的に総合税制改革を推進したいってことらしいです。
我々日本人には今も将来もあまり関係がありませんが、中国でもいずれ保険やローンを抱えている人はその金額を申告することで税金還付が受けられるようになったり、二人っ子政策の推進の為になんらかの税制優遇などが考えられるかも知れないそうです。
導入はまだまだ先のことだと思いますが、その準備段階として12万元以上の中産階級と位置づけられた人たちへの意識づけも含めて申告制度がスタートしたようです。
納税と申告は別物
更にこんな意見もありました。所得税は会社が代理で収めているのにすぎず、会社には個人に対する税務申告の義務はない、だから自分で納税申告をする必要があるとのことでした。そうか、そう言われれば納得。
注意が必要なケース
年度途中に会社が変わった人は注意が必要です。同じ月に前の会社と今の会社の双方から給与を得ている場合、また年度の途中に空白期間がある場合は、追徴or還付の対象となることがあります。
納税申告方法
ここから申告方法を説明します。時期になると財務担当者から自己申告をするように案内が来るはずです。(私は会社勤めなので個人事業主の方は判りません。税務局から個別に通知が来るのかな?)通知が来たら、微信、支付宝、税務局の専用ページのいずれかの方法でネット申告します。税務局に正しく情報がインプットされている方であれば、スムーズに申告が終えられるはずです。以下、簡単に説明します。
微信の「上海发布」経由で申告する
微信の公式アカウント「上海发布」をフォローし、このアカウント経由で申告する方法です。
アカウントのトップページから「市政大厅」をタップし、下に少しスクロールすると「个税查询」というアイコンが出てきます。初回は「立即注册」をタップして個人情報を登録する必要があります。
不親切でスミマセンが、後はご自身で進めてください。私はちょっとしたトラブルとボタンの掛け違いでこれがうまくいかず窓口に出向くことになったので、これ以降が再現できません。
(去年は微信経由で簡単に申告を済ませられたのに・・・(T_T))
支付宝経由で申告する
支付宝で実名認証が済んでいる方はこのアプリ経由で申告できます。
支付宝を開き、「城市服务」というアイコンを探してください。(見つからない方はトップページから「更多」をタップするとページのどこかに出てくるはずです)
「城市服务」の中に「税务大厅」というアイコンがあるので、それをタップします。初回は個人情報の入力が必要です。
ここも不親切でスミマセンが、後はご自身で進めてください。私はちょっとしたトラブルとボタンの掛け違いで窓口に出向くことになったので、これ以降再現ができないの~(T_T)
税務局専用ページから申告する
ブラウザで税務局にアクセスするとこのような画面が出てきます。
微信と同じく、最初は「立即注册」をクリックして個人情報を登録する必要があります。
ここでも本当に不親切でスミマセンが、上でも書いたとおり私はちょっとしたトラブルとボタンの掛け違いでオンライン申告が全滅だったので、これ以降の再現ができませんでした。
私が今年窓口行きとなったワケ
先般私のパスポートが期限満了となり更新したのですが、その後担当者が税務局での変更手続きをしてくれてなかったみたいです。怒
今年分の所得税は旧パスポート情報で納税されていたのですが、私は新しいパスポート番号に更新されていないとは思ってなかったので(だって、人事にも財務にも私の番号が変わった、変更よろしくって伝えてあるんだよ!!)、今年の申告の時に新しいパスポート番号に携帯番号を紐付けしました。でもその後、どのルートで申告しても個人情報は出てこないわ、収入も所得税もゼロのままだわで申告できないことが判明。その後作業のやりすぎで携帯番号がロックされてしまったので、窓口に行ったらパスポート番号が昔のままになっていることが判明しました。
会社の人がとりあえず昔のパスポート番号で申告して来月に新しい情報に変更した方がいいと言うので、微信の申告ページで旧パス番号で作業を進めていたら、携帯番号認証画面で「この番号は他のアカウントで使用されております」と出てしまい(ほら、新しいパスポート番号に紐付けしちゃったから)、作業できませんでした。ネット上ではどうにも埒があかなかったので、最後の砦となる窓口申請を試み、下の写真にある紙に情報を手書きして持っていったのですが、財務局のシステムにも弾かれてしまい、最後の砦すら拒否される事態になってしまいました。

個人所得税の手書き申告用紙
今、私の個人情報はぐっちゃぐちゃ(推定)
中国でも日本でも、こういったオカネの絡む作業は何かと「携帯電話」と紐付けされます。携帯番号も身分証番号も1人に1つであるはずなのですが、パスポートには有効期限があって時折番号が変わるので、引き継ぎをきちんとしておかないと後が大変なことになります。
特に中国は身分証IDが生涯変わらないので、我々のような身分証番号がちょくちょく変わる人への対応が弱いところがあります。(今思い出した、まだ銀行の身分証番号は旧パスのまんまだーorz…)
今税務局にある私の情報は二重になっており、1つは旧パスで納税記録がある情報、もう1つは新パスで携帯電話は紐付けされているものの情報が何もない状態だと思います。
携帯番号は現在ロックされたままで(画面表示によると来月にはロック解除となるみたいですが)どうにも手続きができない状態であり、申告もできなければ変更もできず、こんな事態は初めてです。どうすりゃいいもんだか。。。
財務担当の驚きの発言「国外にいることにすれば?」
この申告の為に結局3度も財務局に出向いたのですが、申告できないまま終えることになりました。
財務担当が受付窓口やウチの会社担当の税務局職員とやりとりしてくれたのですが、結論が「申告をやめましょう」になったのだからこっちは「えー?そんなのアリ?」って感じです。
私の場合は「国外に収入もないし、中国国内もウチの会社で働いてるだけで追徴も還付も不要だから、申告しなくても特に問題ないだろう、中国にはこれだけの人口がいるのだから、あなただけ申告しなくても大丈夫」と言われました(マジ、ズッコケそうでしたけどね)。
そしてもっと驚いたのは、「もし何か問い合わせがあった時は、『申告が必要な時に国外に滞在していたので申告できませんでした』と一筆書いて出せばいい」と言われたもんだから、もう膝ガックンですよ。
そんな理由で税務局が通してくれるの?それより正直に事のいきさつを残しておいたほうがいいんじゃないの?ホント、不思議な国ね、中国は!
まとめ
皆さんは私のようなトラブルに遭わない為に、
パスポート番号が変わったら速やかに関連の変更手続きをしておきましょう!
一応申告のやり方は紹介しましたが、不安な方は中国人のサポートを借りましょう!
以上!
工作許可のすったもんだはこちら↓

※ご参考
2019年1月から施行されている所得税の税率計算方式に関する記事はこちら↓