最近の中国では外国人の銀行口座管理が以前より厳しくなっていることを皆さんご存知のことと思います。
今日は中国の銀行事情あれこれについて私の経験をまとめてみました。
現在の銀行口座新規開設は長期滞在が前提
以前当ブログで中国で働く人の工作許可証と居留許可の手続きについてまとめましたが、
新しく日本から駐在員として長期派遣される場合、Zビザを取得して入境した後、工作許可証を申請・取得し(営業日換算で10日必要)、その後さらに居留許可を取得することになります(ルール上は営業日換算で15日以内に発行、上海は7~8営業日程度で発行)。
土日を挟むので中国に入国してから居留許可が貼られたパスポートが戻ってくるまでに約1ヶ月程度かかるのですが、その間、外国人は銀行口座を開設することができません。
現在は、長期滞在が前提の居留許可を取得しないと口座開設できなくなっています。
以前はZビザがあれば作れた銀行も居留許可に切り替えてからでないと作れなくなっていますし、外国人が多く住むエリアで比較的作りやすかった銀行でも駐在員妻単独での口座開設ができなくなるなど、外国人の銀行口座開設のハードルがますます高くなりました。
駐在したての数ヶ月は資金難に!?
駐在員の給与支給形態は様々ですが、一部は日本の口座に、一部は中国の口座に振り込まれる仕組みの会社が多いと思います。
ここで問題となるのが、居留許可を取得するまでの約1ヶ月間、銀行口座が開設できないために、赴任初月に中国で受け取る給与の振込先がない!という事態になることです。
従って新しく赴任される場合は、現金を多めに持ってくる必要があります。
銀聯カードを予め作っておくと安心ですが、現在の大都市では電子マネー決済が普及しすぎて、カード読み取り機を外してしまったお店がちらほらあるので注意が必要です(大手デパートやスーパーはまだ大丈夫です)。
国際カードの場合はVISAやMaster付帯のカードが良いです。
私の友人の間で人気なのは、年会費が永久無料なのに海外旅行保険が自動付帯するこちらのカードです。

※海外旅行保険の中身は上記をクリックしてご確認下さい。 今日は銀行に関するお話なのでクレカの話はまた今度させて頂きますね。
※JCBやアメックスは使えるお店が限られますのでご注意を。
中国の銀行でマイナンバーが必要?
さて、話が変わりますが、先般、中国銀行からこんなショートメッセージが届きました。

非居住民の税関連情報調査のため、90日以内に声明を出して下さいという内容です。
何のこっちゃ!?と意味が解らなかったので、オフィシャルサイトの告知を確認したところ、こんな情報が掲載されていました。

『非居住民金融口座の税金関連調査管理弁法』とでも訳せばよいでしょうか、中国以外の税収居住民の身分を持っている人、つまり外国で納税義務のある収入がある人は12月31日までに銀行に関連の声明を出す必要があるとの内容です。
こういう管理弁法が出されて対応しなければいけないのは理解できますが、このメッセージが中国銀行からしか来なかったことと、私は中国で居留許可を持っている長期滞在者なのにどうして非居住民と思われているのかが疑問だったので、念のため窓口に出向いて声明を出すことにしました。
読者さまからのコメントを思い出す
以前、こちらの記事(→★)を書いたときに読者さまからこんなコメントを頂いていたことを思い出しました。

あぁ、ついに私もマイナンバーの登録を要求されたってことですよね。
私は日本を離れてまもなく15年になりますが、住民票を抜いて来ているのでマイナンバーをもらったことがありません。
銀行によっては登録に手こずるようなのですが、果たしてどの窓口に行くのが良いのか?
外国人慣れした都会の中国銀行がいいか、外国人が来るだけであたふたする近所の中国銀行がいいか。
迷った挙句、結局近所の窓口で手続きすることにしました。
窓口にて
もらったショートメッセージを窓口の人に見せて、「こんなメッセージをもらいましたが、どうすればいいですか?」と聞くと、「あぁ、これね。はい、わかりました。」と言って登録作業に取り掛かってくれました。
参考までに、申告に必要な情報はこんな内容です。

金融機関それぞれに専用用紙があって、それに記入させられます。
ただ、住所を書かされる割には証明するものまでは求められず、出生地の住所も書いてくださいと言われたけど国と都市名だけで良かったし、意外とルーズな感じでした。
「納税人識別号」で中国の納税番号を提示してみた
いつマイナンバーを出せと言われるのかと思いながら、言われるがままパスポートを提示したり質問に答えたりしてましたが、いよいよ「納税者識別号は?」と聞かれたので念のために持参していた中国の完税証明を出してみました。
これを出せば自分は中国で税金を納めていて、「非居住民」じゃないことを証明できるかなと思ったので。
ところが、やはり「中国の納税者番号じゃなくて日本の番号を出して下さい。」と返ってきたので、
「私は日本で納税していないので番号はありません。」と答えたら、
「『日本で働いていない』から納税番号を取得できないと登録していいですか?」と。
どういう理由であれ、納税番号がなくて登録できないのは確かなので、「好的」と答えてそのとおり登録してもらうことにしました。
登録後に返ってきた紙を見たら、このように書かれていました。

無事登録が済みました。と思ったら・・・
大失敗!身分種別が変わってなかった!
残念なことに、この記事を書いている今、書類の確認不足が発覚しました。

ここ、「个人税收居民身份类型」が「2:仅为非居民」のままになってるー
私の状況なら「1:仅为中国税收居民」としなきゃいけなかったのにー!!
銀行の登録作業、特に中国銀行はとっても時間がかかるので、しばらくはこのまま放っておいて、また何かの用事で窓口に行かなきゃいけない状況になったらついでに変更作業をお願いしようかと思ってますが、せっかく時間を割いて銀行に行ったのに、最後の最後で確認を怠ってしまいました。
むっちゃ悔しいです。。。
追記
読者の方から有意義なコメントを頂きました。

この手続き、外国人は納税者であっても「2:仅为非居民」となるそうです。
きいさんのコメントのおかげでムダに銀行に行かなくて済みました。ありがとうございました。
駐在前には十分なご準備を
読者さまからのコメントによると、駐在直後はやはり資金難に陥りやすいとのことです。
現在、赴任から銀行口座が開設できるまで1ヶ月ほど必要ですし、日本からの現金持ち込み限度額を考慮すると、クレジットカードやプリペイドカードをしっかり準備しておくのが望ましいです。
中国への駐在期間は3~5年程度の方が多いように思いますが、その間、日本の住民票を抜いて来られる方は特に、日本に住所があるうちに金融機関関連の手続きを入念に済ませておくことを強く強くオススメします。
残高管理はもちろんのことですが、新しくクレジットカードを作ろうと思っても住所がネックで作れない、受け取れないという状況になりかねません。
以上、最近の中国の銀行事情について、私の経験を書いてみました。
どなたかのご参考になれば幸いです。
コメント
こんにちは!年末までの銀行の手続きは面倒くさいですよね。
私はアプリでしたのですが、不安だったので先日工商銀行と招商銀行の両方の窓口にいき確認してきました。
そこによると外国人は「1:仅为中国税收居民」にはできないそうで、これを選択するとシステム上でも中国身分証が必要になるそうです。
それで結局、「2:仅为非居民」となりました。
そこで窓口の人に
「中国企業に勤務して税金を納めているのでその情報はどこでわかるのか?」と聞いたところ、書かなくても納税システムでわかるから大丈夫といわれました。
1番を選んでもできないので、私はその言葉を信じ、あきらめました(笑)
そうですか、外国人はみんな非居民になるんですね!情報ありがとうございます、これでムダに銀行に行かなくて済みます。
そう、この手続きは本来ならアプリで完結できるモノですよね。でも中国銀行のアプリでそれが見つけられなかったんです。探すのがめんどくさくて別件もあったので窓口に行ったんですが、本当に使い勝手が悪い銀行だなと思います。
金融関係の手続きは本当に面倒ですね。変な規定が出ないことを祈るばかりです。
こんにちは。いろいろと参考になりました。
先月から子供(24)が中国の昆山へ赴任となり、お金が足らなくなりそうで心配だと連絡してきたところです。クレジットカードを見せても使えないお店が多いらしく、もっぱらWeChatPayだそうですが、引き落とし口座のお金が危ういらしく・・・。まさに「駐在したての数ヶ月は資金難」のようです。
姉妹サイトの方も拝見しました。VISAカードで銀行のATMからお金がおろせる(キャッシングできる)という記事を読み、早速伝えました。
日本からtransferwiseで送金しようとしても「銀聯カード保有者が中国の居住者である必要があります」と言われて先に進めず困っていたところでした。
これからも色々な情報を発信していただけると助かります!
比較的国際化が進んだ上海でも国際カードが使えない場所があるくらいなので、昆山ですと更に不便だと思います。
WeChatPeyで言いますとアカウントに対してパスポートによる実名認証をクリアしていないと長期在住者でも使えなくなる事例があり、中国の外国人に対する金融政策は厳しくなるばかりです。
今後も皆さまに有益な情報を提供できるよう、私の経験を共有させて頂く所存です。